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毒蛇と恐怖のクモ

今年2009年は、春から郷土博物館主催の自然観察会に、はじめて参加したり、また4月には45年ぶりに都立武蔵丘高校の生物部の会合が催され、当時の入笠山合宿で話が盛り上がったリした。そして北の丸公園で発見したテングチョウとモンキアゲハも私にとってキーポイントだ。復活の条件は整った。決定的だったのは、科学技術館、サイエンス友の会講師で、日本蝶類学会理事の松田邦男さんと8月に出会った事だ。モンキアゲハの一言で意気統合。出会った当日などは、私の見ている前で、フィールド観察会を早々に切り上げられ、私を北の丸公園内を自ら案内して頂いた。その後何回かお会いしたり、電話で私の疑問を晴らしていただいた。また日曜日には蝶の燐粉転写の手伝いもした。話はどんどん進み、この11月には八重山諸島の石垣島と西表島に蝶の採集旅行に行く事になった。同伴者はイラストレ-ターで本も出版されている石森愛彦氏。私は45年ぶりに専門店で捕中網や道具一式を購入。再び蝶の採集を目指す事になった。世界三大毒蛇のひとつ「ハブ」がいるため、「ジャングルブーツ」も購入した。松田氏の意向に従い、先割の航空券やレンタカーの予約もいれた。松田氏の目的は南大東島のハマヤマトシジミの採集と撮影だ。我々は南大東島へは蝶相も少ないし時間も無いので行かない。

八重山諸島のハブは昼間は穴倉などにいるため蝶を追いかける人とはめったに出会わないらしい。だが夜間に活動する為、暗い中を歩くのは危険だ。よく道路上に、夜間、車にひかれて死んでいるのが目撃されるとの事。松田氏から、夜、蛾をとりにいくから懐中電燈を忘れないよう言われたが、遠慮したい。ところが実際ハブに咬まれた半分以上は昼間、農作業や草刈をしていた時との事。ハブを捕まえると5千円、市から報奨金が出るらしい。毒蛇には神径毒を持つコブラ科と出血毒を持つクサリヘビ科に分ける事が出来る。クサリヘビの中にハブとガラガラヘビがいる。コブラとあわせて世界三大毒蛇と言われる。ちなみにウミヘビは神経毒を持つ。ハブの毒牙は長く1.5~2.5センチにもなる。ハブの毒はタンパク質を溶かし血管組織を破壊する。すぐに激痛が襲い、血清投与が遅いと後遺症が残り死に至る。石垣島や西表島にいるサキシマハブは沖縄や奄美にいるハブより小型で毒も弱いと聞く。コブラは日本にはいないが、恐ろしい神経毒を持ち、即効性で神経を麻痺させ、しびれと呼吸困難をおこす。痛みで苦しむ事が無く、咬まれたらほとんど、助からない。クレオパトラはコブラに自ら咬まさせて自殺したと言う。キングコブラの毒は象をも倒すと言われる。以前、タイの奥地でキングコブラが主食のトビヘビを猛烈な勢いで追いかけているテレビ番組を見たが、その速さにゾットした記憶がある。珍獣ハンター「イモト」のテレビ番組では「ブラックマンバの新種」「毒吹きコブラ」が登場していたが、あまりにも危険な毒蛇で、高いフェンスの中にいたが、このブラックマンバを見る際には必ずゴーグルを付けなければいけない。ものすごい量の毒を相手の目をめがけて吹きかけるのだ。危険この上ない。さらにこのブラックマンバは、もっとも早く動く毒蛇で、ヘビとは思えない時速20キロのスピードで追いかけ、動きまわる事が出来る、恐ろしいヘビだ。見ることさえかなわぬ。

古代エジプトでは絡み合う蛇を英知のしるしとした。王冠によく蛇のデザインがされている。蛇が意味するものとは、初代エジプト王ラー(エンキ)からトート(ニンギッジドウ)に受け継がれた「秘密の知識」に由来する。「秘密の知識」とは、メソポタニアで発見された古文書では絡み合う2匹の蛇で表現されている。これがDNAの2重螺旋構造を表すものである事を考古学者ゼカリアシッチンが解明している。また今日でも使われている医療と癒しの象徴も、DNAをかたどったデザインだ。トートが遺伝子操作技術や特殊な医療技術を持っていた事は、彼の「魔術」について記録した一連の古文書から窺い知ることができる。ニンギッジドウとはシュメール語で「生命の樹の支配者」を意味する。蛇を医療と結びつける発想は旧約聖書「民数記」にも見られる。モーゼがイスラエルの民を率いてエジプトから脱出するとき、伝染病が蔓延して多くの人が命を失った。モーゼは神の命令に従って「銅の蛇」をつくり、それを旗竿の先に掲げた。伝染病にかかっても、その青銅の蛇を仰ぎ見れば生命を失うことは無かったと言う。古代世界においては「蛇」のみならず「銅」も医療に深い関係がある物質と考えられていたらしい。銅の抗菌効果は2008年に米環境保護局が公式に認定している。食中毒などの原因になる黄色ブドウ球菌は2時間でほぼ100%死滅。新型インフルエンザウイルスやO157にも効果あるとの事。2010.4.5.日経新聞

10月13日、竹橋にて松田先生と石森さんと共に、石垣、西表島行きの”前祝い”と言う理由で、飲み会が催された。先生は黒生ジョッキ、私はハーフ&ハーフ、石森さんはふつうの生ビールで乾杯。同好の志の飲み会は楽しい。時間はあっというまに過ぎた。採集旅行当日はJALのカウンターで午後7時に待ち合わせだ。また、蛾を集めるための懐中電燈の話がまた出た。私が調べた琉球大学には夜中、電燈が点いていて、カブトムシなど多く集まってくるので、どうですか、と話をしたが、とんでもない。真っ暗闇の、山中に入りカンテラを焚いてトラップを仕掛け蛾を集めるらしい。ちょっと気が重い。サキシマハブも夜、行動するので怖い。また何と言っても、日中ずっと蝶を追いかけるので体力的に持つかどうか心配だ。私は夜、シジミチョウの展翅を是非とも終わらせたい。そのために展翅板が5つ入る携帯用の箱をずっと探しつづけ、とうとう圧力鍋の入っている箱を利用し、頑丈な携帯用の展翅板入れを3週間かけ完成させた。シジミチョウなど小さい蝶はすぐ固まってしまうため、採った当日に展翅したい為だ。また八重山諸島には、世界最大の蛾”ヨナクニサン”が生息している。開張幅は30センチメートルにもなる。非常に美しい褐色の模様を持ち、前羽根先端部には蛇の頭のような模様が発達し、これを相手に見せて、威嚇すると言われる。沖縄県指定天然記念物にもなっている。夜、出歩きたくないがヨナクニサンだけは写真におさめたい。

私には絶対に乗り越えなくてはならない問題がひとつある。それは幼い頃からのクモ嫌いである。クモを見ると卒倒しそうになるので、今まで、なるべく目をそらし続けて来た。ほんの小さなオニグモの子供でさえ、ベランダに巣を張っていれば、決して外に出なかった。昼休み、北の丸公園に散歩に行く時など、ジョロウグモの巣があれば、避けて歩き、目を向けなかった。この度、松田先生から石垣島や西表島には”オオジョロウグモ”なる”バカデカイ”クモがいるよとの事。足を含めると体長30センチメートル、クモの巣の大きさは2メートル四方にもなるらしい。普段はセミなど昆虫を食べているが時には、スズメやツバメあるいはコウモリが巣にかかり、食べてしまうらしい。空恐ろしい。日本一の巨大グモとの事。このデカイのが雌で、雄はほんの数ミリと言う。交尾の後、雄は雌に食べられるらしい。クモは3つのグループに分けられる。クモの巣(網)を張るものと、徘徊するものと、地中に穴を掘るものに区分される。徘徊するものの中に、超巨大なオオハシリグモ、も又この島々にいるらしい。このクモも体長30センチメートルもあるとの事。全身毛に覆われ、見るからに恐ろしい。水辺の岩などにへばりついて、カエルや魚など食べるらしい。また手のひらサイズのアシダカグモは東京にもおり、ものすごい速さで移動し、ゴキブリなどを捕食する。このクモでさえ、ものすごい恐怖を感じる。このようなクモが洗面所やトイレにいるとなるとゾーとする。石垣島、西表島に行くまで、何とかクモ恐怖から少しでも逃れるため、昼休みには北の丸公園でジョロウグモを恐る恐る観察し、デジカメで撮影したりもした。夜は夜で、クモの図鑑などで慣れ親しむように努力している。

クモは100%肉食だったが、このたびはじめて草食性のクモが中米で見つかったそうな。日経新聞の朝刊につい最近出ていた。また、時々、新聞紙上でにぎあう外来種であるセアカゴケグモが繁殖し.、人的被害も出ている。その毒性は極めて強いらしい。多量の汗が出たり、寒気、吐き気など起こすらしい。北米から南米、アフリカに分布するクロゴケグモの毒性は強烈で、コブラの毒に匹敵する。毎年4、5名の人が咬まれて死亡している。地中に穴を掘るもののなかに世界最大級のクモとして有名な、タランチュラ”ゴライアスバードイーター”がいる。南米の熱帯雨林おり、噛まれると、小型犬に噛まれた位の怪我をする。足を含めないで体長10センチメートルもある。またタイ北部山岳地帯ではタランチェラを食用にしている。なにかカッパエビセンの味のようだと聞く。腹の部分の味は、定かでない。クモの中には、結構おもしろいクモもいる。そのひとつが、虫取り網を自分でつくり、近寄って来た虫を捕らえるクモや、線香花火のような丸い玉をぐるぐる回しながら、誘引臭を放ち、蛾を狩るクモなど興味が尽きない。クモは羽が無いから移動手段は這い回る事しか無いが、お尻から糸を出して、上昇気流に乗り飛ぶことが出来る。これをバルーニングと言う。

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